フォアグラとは

フォアグラは強制給餌によって特別に肥育されたアヒルまたはガチョウの肝臓を意味します。フランスでは文化的及び美食遺産の一部として法律にも定められており、パーティーなどで人気がある有名な珍味です。

フォアグラを作るにはまず食用のアヒルやガチョウを繁殖させ屠殺前の12日間に強制給餌を行い脂肪肝の段階まで太らせます。動物の肥育は脂肪肝を作るために不可欠なプロセスですが、動物を苦しめることのない強制給餌を行う必要があります。

また食肉用の鳥は羽が生えてから最低でも2ヶ月半は外で放し飼いにされます。これらの原則はフォアグラ職人による生産の基礎でもあります。肥育されたアヒルやガチョウはフォアグラの他、胸肉、もも肉、首肉など余すことなくすべての部分が食べられています。(代表的なものにはコンフィがあります。)

フォアグラの歴史

フォアグラは古代には既に食べられていたことが分かっています。例えば4500年前のエジプトではフォアグラを作るためにガチョウを育てていた記録が残っており、ニワトリよりも前に家畜として飼われていました。

エジプト人は野生のガチョウの味が季節によって違うことに気付き、それは越冬する際に通常よりもはるかに多くの食べ物を食べることに起因していると発見しました。そこでエジプト人は脂の乗った美味しい鳥肉を作るために、ガチョウを含む数種の游禽類(水かきのある鳥)にローストして湿らせた穀物と干しイチジクを強制給餌するようになり、この慣習は古代ギリシャとローマ帝国の下で続けられました。ちなみにイチジクはラテン語でフィギュ(Figue)と呼ばれていて、肝臓を意味するフォア(Foie)の語源であると考えられています。 またそこからフォアグラ(Foie gras)へと派生しました。

しかし当時のエジプトではフォアグラとして肝臓を食べるのではなく、柔らかくて脂肪が多い美味しいお肉を作るために飼育されていました。また脂肪自体を料理に使ったり、食品の保存や照明の燃料としても利用していました。

一方ヨーロッパ全体を支配していたローマ帝国ではフォアグラが料理としてたべられるようになった記録が残っていて、ローマ人はこの頃に現在のフランス南西部に当たるガスコーニュ州でもこうした生産を行うようになりました。

またフォアグラは16世紀のフランス王室でも人気があったことがわかっています。マリーアントワネットの夫として知られているルイ16世は大好物であったフォアグラのパテパイ包みを宴の招待客に振る舞っていました。このレシピは元々、アルザスの料理人ジャンピエールクラウスによって作られたもので、アルザスのガチョウのフォアグラを子牛肉とベーコンの薄い詰め物で包み、その上をさらにパテの皮で覆って、弱火で焦げ目をつけるというものです。

現在のフランスでは、クリスマスやお正月を始めとした家族や友人との祝いの席でフォアグラを食べることが多いです。フォアグラを焼いたトーストに乗せてイチジクのピューレと食べたり、ミックスサラダに混ぜて食べたりと個人の好みに合わせて様々な食べ方があります。その際にはもちろんフォアグラの味を引き立てる美味しいワインがあるとより良いでしょう。ワインはゲウルストのようなまろやかでフルーティーな白ワインがおすすめです。

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